2006年05月08日

第二十六話 アリシア

注:『第二十四話 届かない想いと』『第二十五話 別離の前に』の続きですので、そちらからお読みください。
 屋敷に戻ってきたら、アリシアはいなかった。
 父さんも母さんも、何事も無かったように。
 アリシアがいた部屋は、新しく雇われたメイドが使っていた。

 時に優しくて、時に厳しくて。
 ただ、僕だけの為に、存在してくれた。
 好きだったのに。
 何の言葉も残さずに、アリシアは消えてしまった。
 それが僕の、胸に残る傷跡。

 今も、思う。
 アリシアは今、どこで何をしているのだろうかと。
 まだ、メイドをしているのだろうかと。
posted by kuga at 21:53 | TrackBack(0) | 短編集
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